塩谷歯科医院

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なぜ歯の健康が重要なのでしょうか

なぜ歯の健康が重要なのでしょうか。

歯周病は、糖尿病、心臓病、骨粗しょう症、肥満、脳梗塞、誤嚥性肺炎、関節リウマチ、そして近年では認知症との相互関連が指摘されています。健康な歯を維持してきちんと咀嚼できることは全身の健康とも関連し、美味しく食事をして、口臭を気にせず笑顔でお喋りができるかなど、QOL(生活の質)にも影響してきます。

海外と比べ日本人は「歯の健康」への意識が低い パナソニックが2013年に30~50代の働く男性に実施した「歯とオーラルケアに関する意識調査」によると、トラブルがなくても通院する割合はアメリカの男性が76%なのに対し、日本の男性は36%(そのうち定期的に行く人はたったの13%)になっています。

また、アメリカの男性の86.5%が「歯を健康に保つためにお金や時間をかけてもいい」と考えているのに対し、日本の男性は42.5%しかそうは考えていないそうです。 さらに、歯への年間投資金額を見ると、アメリカの男性は平均約3万6000円、日本の男性は平均約6000円だそうです。 同じくパナソニックが2021年に、今度はドイツ、アメリカ、日本の20~69歳の男女に実施したオーラルケアについてのアンケートでは、口臭対策に自信があるドイツ人は79%、アメリカ人は68%であるのに対し、日本人は19%しかいません。 口臭は歯周疾患が大きな原因になりますので、まずはきちんと治すこととセルフケアを徹底することが大切です。

ビジネスシーンでは「スメルハラスメント」という言葉もあり、体臭ケアや口臭ケアが気になる人も増えてきそうです。 そのためにも、歯を健康に保つことが重要で、歯垢(プラーク)を溜めないことが大切だです。歯垢は歯面に付着する微生物からなる構造物で、これは食べかすではないのですが食べかすだと勘違いしている人が多いから、歯磨きをして、さっぱり、すっきりすればいいとほとんどの人が考えてしまうのです。

この微生物の塊である歯垢は、ちょっとやそっとでは取れません。よく薬用のマウスウォッシュでゆすげば歯磨きをしなくていいと思っている人もいます。歯垢は口腔のバイオフィルムといわれます。たとえば、台所の流しにぬめりができたりしますよね。それもバイオフィルムの一種です。それと同じで、口腔の細菌はバリア(外からくる薬液などを浸透させないための)を作ります。歯にしっかりとくっつきますから、しっかりと歯ブラシの毛先で物理的に擦り取らなければいけません。歯ブラシだけで歯垢を完全に取るのは難しいのでフロスや歯間ブラシが必要ですが、とにかくそのバリアをある程度壊してあげないと、どんどん悪い菌が増えてしまい、むし歯や歯周病につながってしまいます。

ここで重要なのは、フッ素を使った歯磨き粉(歯磨き剤)を使うことです。 むし歯を防ぐには、どうすればいいのか。

東京医科歯科大学の品田佳世子教授は「日本ではフッ素にマイナスイメージを持つ人が多いが、フッ素入りの歯磨き粉(フッ素濃度が1000ppm以上のもの)を効果的に使うことが重要だ。その際、『“2+2+2+2”の歯磨きテクニック』を活用できるといい」とおっしゃっていました。

予防先進国スウェーデン(80歳の平均残存歯数は25.5本,日本80歳台前半の残存歯は15.3本)では常識になってきている歯磨きの方法があります。それが、「“2+2+2+2”の歯磨きテクニック」と呼ばれるものです。 1日2回の歯磨きをすること。フッ素入りの歯磨き粉を2センチ使い、2分間磨くこと。 最初に2センチの歯磨き粉を歯の裏表全体にくまなくつけて、それから2分間かけて歯を磨きます。

欧米の人たちは、歯磨き粉をたくさんつけて、細かい磨き方はせずに大ざっぱにシャカシャカと磨いている。「そんなのでいいの?」と思うかもしれませんが、効果がちゃんとあります。フッ素が歯垢に取り込まれることに意味があり重要です。

フッ素は抗菌作用がありますし、徐々に歯質に取り込まれていきますから、少しくらい歯垢が残っていても、フッ素が行き渡っていれば効果があります。 フッ素を口の中にとどめるため、あまり口をゆすがないのもポイントです。さらに、歯磨き後の2時間は飲食を避ける。つまり「1日2回、2センチ、2分間、2時間」を守るという歯磨きの方法です。 歯磨きだけでは予防にはならず、フッ素を使わなければいけないというのにはエビデンスがあり、世界では常識になっています。

ただし、日本では1971年に兵庫県宝塚市でフッ素の過剰摂取による斑状歯訴訟(宝塚市の上水道のフッ化物濃度が高かったために、水道水を常飲していた地元住民に斑状歯(フッ素を過剰摂取することによって、歯の表面のエナメル質が白濁すること)の症状が出たことの因果関係を争った裁判。最高裁で住民の請求は棄却された。)が起きました。日本ではフッ素に対するマイナスイメージが根強くなってしまい、啓発が遅れてしまったのです。

スウェーデンでは、子どもが生まれる前のお母さん、そして歯が生えてきたばかりのお子さんが検査をするケースが多いと聞きます。つまり、むし歯になる前から検査でリスクを判定し、むし歯にならないためのプログラムを歯科医・歯科衛生士と一緒に立てていくのです。それを定期的にすることによって、歯をケアする。これが、本来の予防歯科のあり方、考え方です。

自費診療でも定期的に歯医者に通うほうがいい「予防歯科」 日本では自費診療になってしまいますが、予防歯科を行ったほうが、トータルのコストは安く済みます。痛みも治療回数も減り、健康維持にもつながります。予防や定期健診にコストをかけることの重要性を、ひとりでも多くの人にご理解いただきたいと思います。

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