塩谷歯科医院

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明眸皓歯(めいぼうこうし)ということわざをご存じですか?

ことわざに明眸皓歯(めいぼうこうし)という言葉があります。

“明眸皓歯”とは、「ぱっちりと開いた明るい目と白い歯」を意味する言葉です。明眸と皓歯によって唐の6代皇帝玄宗の寵愛を得て、皇后となった楊貴妃を指しました。そこから転じて美人を表す言葉として我が国にも定着しました。

その美しさに溺れた玄宗は政治を顧みず、ついに安禄山(あんろくざん)の乱を招き、楊貴妃は扼(首を絞めて)殺されます。詩人杜甫(李白と並んで中国古代の二大詩人)はこの悲劇を「哀江頭詩」(あいこうとうし)に詠い、「明眸皓歯今何処にか在る」と悲しみました。また、魏の曹植(李白・杜甫以前の中国を代表する文学者「詩聖」の評価)は「洛神賦」(らくしんのふ:曹植最高傑作とも言われる)に、「丹き唇は外に朗かに、皓き歯は内に鮮やかなり。明眸善くかえりみて、えくぼの権(つら)に承(う)けたり」(赤い唇は外に輝き、真っ白い歯は内にあざやかに、澄み切った目はよく動き、えくぼは頬に愛らしい)と詠っています。

これより“朱唇皓歯”(しゅしんこうし)も明眸皓歯と同義語とされます。要は白い歯が美人の条件だった訳で、私ども歯科医師は美人作りのお手伝いができそうです。

しかしテレビを見ていると、芸能人には歯の不自然な方がどうしても目についてしまいます。明石家さんま、バナナマンの日村、清原、中村アン、などなど。 特に“ホスト界の帝王”ローランドは元からある歯を全て抜いて、人口のインプラントに付けかえています。 人工ダイヤモンドともいわれてるジルコニアという素材を使用しているようで、歯の治療金額は500万円にもなるそうです!

そんなローランドが自分より白い人はこの人以外見たことがないと言うのが日本ハムのビッグボス新庄ですが、「23歳で歯を全部変えた」と当時の日本では一般的ではなかったため、スウェーデンから取り寄せて2000万円以上かかったそうです。「自分の歯をつららのようにとがらせて、差し込むのがセラミック。2200万円かな。その時の年俸が2800万円 それがあったから今がある」と言ったそうです。「TOTOの便器の色にしてくれって言った。便所系が好きで、体のラインも公衆便所の形になりたかった。(それで)下半身を鍛えなくなった」と笑い飛ばしたそうです。

この異常に白いスーパーホワイトセラミックの一番の問題点は、削る本数を増やさざるを得ない仕組みにあります。

たとえば、前歯1本に被せ物をする治療の場合、通常は両隣の歯の色に合わせることで違和感のない色調の人工の歯1本のみを被せて終了です。しかしスーパーホワイトにすると、両サイドの歯はもちろん、下の歯とも色調が合うはずがありません。そこで、歯科医は犬歯から犬歯までの6本、さらに下の歯6本を人工の歯に替えることを勧めます。さらに笑ったときに見える奥歯まですると20~28本の真っ白い人工の歯が輝くことになるのです。

たくさんの歯を一度に替えれば、当然かみ合わせも大きく変化します。体に不調が現れるリスクを背負うことになります。削る歯が1本で済むところ、増えればそれだけ患者のリスクは増えますが、逆に歯科医の儲けは増えます。ある審美歯科の料金表によると、スーパーホワイトセラミックは1本12~17万円となっており、非常に高額です。見た目優先のスーパーホワイトには、「かみ合わせ」という大切な歯の機能を壊すリスクが潜んでいます。高い料金を払い、健康な歯を削ってまで受ける治療ではありません。

かみ合わせが悪くなると歯ぎしりしたりします。 ということで 次は切歯扼腕(せっしやくわん)です。"明眸皓歯"(めいぼうこうし)と同じく、故事成句=故事(大昔にあった事件や由緒ある事柄)を語源とする言葉です。"切歯扼腕"の背景にある物語もまた、『三国志』など中国の歴史書の例に漏れず、血生臭いものでした。

『史記』によると、秦(しん)王(若き始皇帝)暗殺を命ぜられた荊軻(けいか)は、クーデターを目論む秦の将軍・樊於期(はんおき)に計画を相談します。すると樊於期は自分の腕を強く握りしめて(扼腕)、「これこそ わたしが日夜切歯(「歯ぎしり」のこと。前歯の意味ではありません)して、心を砕いてきたところだ」(「切歯扼腕」)と、自ら自分の首を切り落としました。荊軻(けいか)は樊於期(はんおき)の首を土産にして、秦王に近づくことに成功しましたが、結果として失敗に終わったそうです。

同義語として"咬牙切歯"(こうがせっし)があります。「咬牙」は「切歯」同様に悔しがって歯ぎしりする、または習慣となった夜の歯ぎしりなどを意味します。現在の歯科医学でも「歯ぎしり」の原因として、心理的ストレスが原因の一つとされています。やたら削らず、元々の歯を大切にし、善からぬことを考えず、いらいらせずに平穏な心を保つことが、歯ぎしり防止と心とからだの健康につながるのかもしれませんね。

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